会社員という漠然とした働き方に疑問を持ち、フリーランスを検討する方が増えてきており、政府も無視できない流れになってきました。
当ブログでは主にITエンジニアを対象としたブログを発信していますが、カメラマンやライターなど全業種のフリーランサーはなんと、現時点で日本の人口の約1割(1,000万人を超える)と言われています。
そんな中、政府よりこんな報道がありました。
【フリーランスに失業保険 政府・損保が創設 対象1000万人】
政府はフリーランスを支援するため、失業や出産の際に所得補償される団体保険の創設を提言。
損害保険大手と商品を設計し、2018年度から民間で発売してもらう。
今年発足した業界団体「フリーランス協会」に加入すれば、保険料が最大5割軽減される団体割引の仕組みとする。
介護や子育てを理由に自宅で働く人も増えており、若年層や女性の多様な働き方を支える。
(2017.03.14 日本経済新聞:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF13H17_T10C17A3EA1000/)
随分と期間が空いて、ようやく記事にします(苦笑)
この、通称「フリーランス失業保険」はどのような展開が予想されるのか
前半はタイトルの通り、「フリーランス失業保険」に絡むリストラ策について紹介し、
後半はそのフリーランス失業保険の効果や実際のところ、、、
について、まとめました。
現在フリーランスの方はもちろん、現在フリーランスを検討中でまだ会社員の方は必見です。
Contents
企業は業績好調時にリストラを考える
かつて、ヒトモノカネが経営資源で重要な要素とありましたが、今ではアウトソーシングが主軸となっています。
その中でもモノはクラウドソーシングの活用、ヒトはオフショアへアウトソーシング(今後はAIなどを活用し人的資源の削減)で解決します。
そう、雇用を多く抱えている企業は最終的に雇用がネックとなります。
「大企業は安定」という時代はとうに過ぎ、大量に従業員を雇用している大企業ほどリストラの可能性は高まります。
2016年にはこんなニュース『リストラ代行』ビジネスというのが取り上げられていたのをご存知でしょうか?
業績好調だからこそ、万一のリスクに対し今のうちに備える。
企業としては業績好調だからこそ、社員の給料よりも貯金(内部留保額)を蓄えて将来リスクを減らしたいのです。
引用元:https://blogs.yahoo.co.jp/norrie_sky/25383489.html
今後の予想できる流れとしては
- AIを試験的に導入
- 事務作業がAIに変われることが確認
- 必要に応じて人事異動、リストラ
特にリストラ代行では人材紹介業とのマッチングビジネスの展開が見込めることで、企業としてはリストラ推奨側に移ります。
引用元:クローズアップ現代
後述しますが、リストラをいかに会社都合ではなく自分都合に持っていくかがポイントになるでしょう。
そこで提案に組み込まれるであろうポイントが『フリーランス失業保険』
なぜこの『フリーランス失業保険』がリストラに関係するのかを私の観点でご説明します。
早期退職制度に変わるフリーランス失業保険を使ったリストラ策
会社を退職するのには大きく分けて2通りの条件があります。
会社都合:
自分の意志に反して退職を余儀なくされるケース
- 経営破たんや業績悪化に伴う人員整理の対象になった場合
- 退職勧奨・希望退職に応じた場合や、勤務地の移転に伴い通勤が困難になった場合
- セクハラの被害を受けた場合
- 過度な労働時間により会社側に責任があると認められた場合
自分都合:
自ら希望して退職するケース
- 転職をはじめ、病気の療養や結婚などにより退職する場合
- 会社で問題を起こし、懲戒免職になった場合(不当解雇は訴えて裁判沙汰もありえる)
企業は、会社都合による退職は社会的評価を受けることから可能な限り避けたいのです。
早期退職によるリストラについても、経営が上手くいっていないなど予想されたりなど株価に影響しかねないため取りたくない手段なのです。
そこで新たに出てきたのが『フリーランス失業保険』
合法的かつ自分都合に持っていくようなリストラ策を従業員に提案できる可能性があるとみています。
フリーランスは会社員でいう給料とは違い、契約単価丸々を受け取ることができるため、給料と比較すると収入アップの可能性が大。(社保などは個人負担)
リストラ代行側としては、リストラではなくフリーランスで収入アップができる提案を提示します。
今まで会社員で突然の「フリーランスならないか?」提案はリスクが高く不安。
しかしここで、畳み掛けるように以下のようなメリット満載の提案をぶら下げます。
前提として、フリーランス失業保険が提供される時には、政府もフリーランスとして働くことを推奨していること。
- 『フリーランス失業保険』で、万一失業時にも保険が適用される旨案内
- 仲介料無しの、エンド直請け提案で高額報酬
- 仕事も今まで通りの通常業務を任せる
- さらに特別手当も若干上乗せするよとの囁き
上記のような魅力的な提案を出されたら、誰だって今よりも収入が倍近くあがるフリーランスに興味を持つでしょう。
しかし、リストラ代行の狙いはそこから。
フリーランスは期間契約が多く、3ヶ月や6ヶ月、1年契約など区切りがあります。
契約期間は頑張ってもらい、案件が完了したら(もしくは本人業務が引継完了)契約終了。
リストラ完了です。
さらに企業としては契約終了(リストラ完了)時に人材紹介会社を提示すれば、エージェントからマージンを取れます。
場合によっては、上司が個人で提案し賄賂を受け取ることも考えられますね。
もちろん、1年以上の契約も可能性はありますが、
業績好調時に人員整理し将来リスクを減らすというテクニックが使われることは間違いないでしょう。
あなたに「フリーランスになる or リストラ」という2択が迫られる日が来るかもしれませんね。
派遣社員などの非正規雇用制度ができた観点から考える
「社員は家族、クビを切ることなんて考えられない」という
”企業のために”という終身雇用の愛社精神美学が尊重されてましたが、正規に採用するとなると簡単に辞めさせられることができない。
どの業界にもプロジェクトに人員が必要な時、有り余ってる時というタイミングがあります。
要はピンポイントでヒトが欲しい、と言う要望から派遣社員などの制度が生まれました。
一時期、経営悪化による派遣切りなどの問題が浮上しましたが、「ピンポイントで必要でなくなった」という事になります。(とはいえ契約破棄につながるのでそれはそれで問題なんですが。。。)
現代の視点で捉えると、今後AIやオフショア勢の加入、そしてITリテラシーの高い若手が入ることにより、新旧入れ替えが大きく予想されます。
例えば写真はANAですが、羽田空港国内線では荷物チェックなどが全て自動化され、大幅な人材削減に成功できています。
今後、経営のスリム化を行うにあたりこのような自動化は増えていきます。
あなたの仕事も、自動化により無くなる可能性があるのでは?と危惧しましょう。
そもそも2018年度にリリース予定のフリーランス失業保険とは?
ところどころ『フリーランス失業保険』について話を出していきましたが、この失業保険はどういった時に適用されるのか?などが気になるところです。
冒頭に出した【フリーランスに失業保険 政府・損保が創設】という記事では、
損害保険大手と商品を設計し、来年度から民間で発売してもらう。
と、挙げており『働き方改革』の重要要素になるのではないかと感じていますが、この制度を考えると「???」となる疑問点がいくつも出てきます。
そもそもフリーランスの”失業状態”とはどう判断する?効果範囲は?
一番難しいのは”失業状態”について。どう表すのかが不明です。
フリーランスSEという働き方の場合、契約している企業で契約満了したら次の現場を提案します。
この時1ヶ月休みたい、と空白空ける期間は”失業状態”となって保険適用されるのか?
また、フリーランスは必ずしも収入源が一つとは限りません。
例えばアフィリエイトなどのネットビジネスなどの収入があった場合はどうなるのか?など、疑問箇所はたくさんありますね。
保険会社としてはこの制度を厳密に設定しないと”失業状態”ばっかのフリーランサーがあとを経たず、むしろ損を被ることになりかねないでしょう。
残念ながらフリーランス失業保険は実は損害倍賞しかできない保険・・・?
政府がフリーランスに失業保険と謳っているものの、前述した通り現実的に”失業状態”を特定することは難しいでしょう。
ただでさえ生活保護に関する調査も見極めきれてないわけですし、それよりも難しい”失業状態”は特定しづらいです。
残念ながら、政府の見切り発進的も考えられなくもないです。
が、政府としてもフリーランスは『働き方改革』の重要要素であり、支援を手厚くすることには変わらないでしょう。
簡単に思い浮かぶ保険でのリスク対策としてはやはり賠償責任などの対策ぐらいでしょうか。
会社が今まで責任を受けてた分、個人に責任が被られる可能性もあるため、その賠償責任対策としての保証は十分に有りえると思われます。
結局のところフリーランス失業保険は入るべきか?
結局のところフリーランス失業保険が施行された場合、MIYAは加入するのか?
私個人的には、
- フリーランス成り立ての時の約1年レベルだったら加入
- 価格が毎月1,000円程度なら加入
- 収入源がフリーランス本業の1本しかないなら加入
あくまで保険なので能力に自信がある方は不要です。
月々2000円を超える場合は入る必要ないという点と、損害賠償のみの保険であれば業種よりけりという認識です(フリーランスSEは損害賠償はエージェント会社との契約内容に順ずる)
おわりに
政府が出した提案通りに『フリーランス失業保険』が施行された場合、ていのいいリストラ策であることも念頭に入れておくべきです。
あなたが会社員の場合、もしかしたら「フリーランスになる or リストラ」の2択を迫られる可能性があるという点は抑えておきましょう。
リストラ策が自分の身に提案されたとしても、むしろ考え方を一新するチャンスであるとポジティブに捉えてみてはいかがでしょうか。
早い段階で”会社員が安定”説を払拭できたとあれば、新たな働き方を模索することが可能です。
私はフリーランスという働き方が推奨されていない時代(フリーランス=フリーター)にフリーランスになりましたから、今の時代にフリーランスという働き方を伝えることができています。
今後『働き方改革』で、大きく今までの価値観が変わります。
企業のために→自分自身のために
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