「優秀な人が他業界から転職してきて、半年以内にやめてしまう。。。」
という話をよく聞きます。
中には有名な大手企業のSEとして採用されているにもかかわらず、一週間で辞めてしまう人もいるそうです。
せっかく頑張って転職活動をしたのに、短期間で辞めてしまっては努力が勿体ないですね。
他業界から転職できるほど熱心な人がなぜ、短期間で退職してしまうのか。
今まで現役エンジニアにフォーカスしてきたブログがメインでしたが、
未経験から転職に関する相談が相次ぎますので、相談が多い内容を3つに凝縮してまとめました。
以降をお読みください。
Contents
エンジニアを目指す未経験者に警告
「転職フェア」からスタートほど愚かな決断はない
3つの特徴を記載する前に、一番大事なことを先に伝えておきます。
声を大にして言いたいのが「転職フェア」に参加してから業界を検討する転職希望者。
該当する方達は、短期間で業界を退職する可能性が高いでしょう。
未経験で難しいから・・・?
いいえ、大きな特徴は“何のためにSEになるのか?”
という目的がはっきりしていないことが原因です。。
転職の理由を聞いてみると
「SEは自由で手に職がついて、ITスキルがつくから良いと思って。」
「高収入そうだし」
という「手に職」や、「自由」「高収入」など、華やかなイメージへの憧れが先行しています。
目的が明確でないから、浅い考えで”手段”に着目して行動しすぐに辞める結果になります。
また、「転職フェア」に絡む記事を以前書いて反響がよかったので再掲載します。
さて本題。
今回のブログはもう少し具体的に落とし込み、なぜ失敗するのか3点にまとめて紐解いていきます。
特徴1、IT業界に転職する準備ができていない
転職準備というと、どのような対策が思いつきますか。
業界の研究、求人探し、見つけた求人を見ていいなと思った会社のことを調べてみる…など
転職の場合も新卒時と変わらず、他業界へ転職するなら特に業界研究は欠かせられません。
しかし転職者の多くは
「異業種だけど社会人として働いてきた経験があるし、大丈夫だろう。」
と考え、気になる会社だけにフォーカスし研究。
業界は同じだけど、会社によって仕事内容が大きく違うのがIT業界の特徴。
自分の気になる会社だけ調査し、判断するのは危険です。
「未経験歓迎」とのギャップを感じてしまう
“未経験でもOK”
という条件で求人を出している会社はたくさんあります。
特にIT業界は前述した「転職フェア」でもよく見かけます。
求人広告だけを見ると
- 「充実した研修制度あり」
- 「元販売員・ショップ店員など異業種出身者多数活躍中!」
- 「3年間かけてSEになっていただきます☆」
などなど、この会社に入れば“安心の研修”があるから未経験から入社できて
給料を貰いながら、専門分野の勉強ができるように見えます。
確かに研修はあります。短いところで1~3ヵ月、長くて半年程度。
しかし、未経験者の方達に念頭に入れてもらいたいのが、
会社の研修後は、常駐先(客先)に配属されフリーランスや派遣とあまり変わらない働き方がメインでしょう。
「常駐先でチームを組むから、不明点は先輩にきいてください。」
と指示され、いきなり現場に派遣されてしまうのが通常でしょう。
ITは現時点では人材不足です。
自分で調べるのがメインかつ新人だからフォロー体制が整ってるというのも期待できません。
他業界からすると
先輩がいなくなってフォローしてくれない=ブラック企業じゃないの?
と思うかもしれませんが、IT業界でこれはよくある独り立ちの流れです。
(さらに、新人だけど営業単価目的に経験者と偽り提案する企業も少なくないですが・・・。故にプレッシャーが営業ではなくエンジニアに当てられたりして。)
そうなる前に、対策としては後半に記載します。
まとめ:
IT業界に入る前の下調べができていないから
働き方や仕事の任され方に、研修が終わった時点でギャップを感じてしまう
特徴2、国内のIT業界の表面しか知らなさすぎ
「自由」や「革新的」なイメージを持っていたり、反対に「コミュニケーションが下手そう」と、いった様々なイメージを持たれているIT業界。
あなたはどんなイメージを持ちますか?
業界への転職を目指す方は一部の輝いてる部分のみを意識し、その周囲を見えていないケースも様々です。
イメージと現実のギャップ
テレビドラマなどで自由な服装でいるSEが出てくることがあります。(ドラマ「逃げ恥」を連想しながら書いてます笑。)
そのせいでしょうか、IT業界に対して
- みんながフレキシブルに働けて
- 世に出ている誰もが知っているサービスを作る事ができて
- おまけにノマドワーク可能だから自由!
という華やかなイメージを持っている方がいます。
少し前まではIT業界は納期などで家に帰れない、などのブラック企業を連想させていましたが、最近ではそのイメージを払拭させ高収入が得られる企業というイメージに上書きされています。
下は、ブラック企業といえばIT業界が該当していた。
フリーランスになって高単価を狙おう!という輝かしい希望をもって入社する人もいます。
しかし実際には、先にあげた通り
- 納期などの期限が厳しく、システム上で予測不可能な事態も頻繁に起こる
- 会社によっては慢性的な長時間労働が当たり前になっているところもある
- ITスキル以外の業務にかかる業界知識の勉強も常に行う
を念頭に置く必要があります。
ベンチャーはともかく、大手では異動や雑務ばっかを押し付けられ数年スキルを積めないことは頭に入れておいたほうがいいですね。
ベンチャーで1年で経験できることが、大手企業だと3年目ぐらいで経験できるなどギャップもあります。
IT業界では精神病になり辞める方が数多くいます。
想定していた仕事と違った、やりたいことがあるのに任せてもらえないことが分かった…など
理由は様々でしょうが、未経験から転職した方だと特に、多くの方が辞めてしまいます。
自分の関わったサービスが、元請けの名前で世に出る
SIer業界のピラミッド構造を知っている方はお分かりだと思いますが
自分の作ったものが世に出るというより、元請けとなる大手企業の名前で世に出ますので
自分の名前や自分の会社名は日の目を見ないのです。
自分の会社、自分の名前は当然世に出ないし、時期とタイミングによっては誰でもできる仕事をずっとやっているだけだ…というギャップが生まれます。
大規模システムのほんの一部の機能のみで、実際なんの機能を作ってるのかさえイメージできない、というのも少なくはないです。
モノづくりが好きと言う方で、使ってる方達の顔がイメージできないというのはIT業界では多いです。
結構、精神的に辛いですね^^;
まとめ:
ドラマなどで描かれる華やかなイメージが先行し、実際の労働環境とのギャップが生まれる
多くの人が知るサービスの開発に関わることはできても、自分の会社は日の目を見ないことにやりがいを見いだせなくなる
誰でもできる仕事で時間が過ぎていくことに不安を感じてしまう
使ってくれている方達の顔がイメージできない。
特徴3、手に職がついて将来安心というイメージが強すぎ
SEには「手に職がつく」というイメージが強いです。
確かにそうです。ITはこれから、今よりもっと身近になってきますので
できるに越したことはありません。
ここで未経験者歓迎の企業に話を戻しますが、
未経験歓迎の企業にSEとして入社したところで、手に職が保証されるわけではありません。
「0から1を作る」より、「1から100にする」”作業がほとんど”です!
私の相談者はほとんどが
誰にでもできる作業ばかり任されてその先が見えない、という不安を持った方です。
ブロガー、アフィリエイターによる投稿で「ITスキルがあれば大丈夫!」と謳ってる人がいますが、実際はSEの大半が単純作業をしているだけです。
そして、その大半の作業は機械にとって代わられます。
もちろん全部が全部ではありませんが、今いるエンジニアの半分が人員削減できるかと思われます。
やりたいことがはっきりしないまま
「将来手に職があるからSEを選ぼう」と持っている方がいたら危険です。
これらを踏まえた上で、失敗しない手段を伝えます。
まとめ:
未経験からSEになって手に職がつく、というイメージが強すぎる
SEとして働く人の9割は作業しかできず、その9割もゆくゆくは機械に取って代わられることを知らない
よってつけた手に職は今後も使えるかわからない。常に技術は進化される。
未経験からSEになる方へ失敗しないための手堅い対策
長々と失敗する方の特徴をお伝えしていきましたが、
ようは“未経験者歓迎”、”ITを学んでるいるとなんか安心”という、
表面上の部分だけしか知らないというのが問題です。
そのため、ぐっと堪えた上で準備を整えることを推奨します。
それらの対策を以降にまとめます。
対策1.リアルな情報収集
インターネットで検索して情報収集というのも当然必要、しかしリアルな情報ではないので仮説というレベルです。
そこで、リアルな話を聞き仮説を検証するというのが一つの手ですが私が推奨するのは活発なコミュニティに属すということです。
転職を目指してるコミュニティも情報収集としては有りではありますが、追っかけてる方達と同様の情報収集では、横並びの情報しか手に入りません。
では、どのようなコミュニティがいいか。実はコミュニティの種類は問いません(怪しいところはやめた方がいいですが笑)
一点推奨するならば、目的や目標を共有できるコミュニティならば目指すIT業界の諸先輩たちはいるし、そして更なる高みを目指している方達と出会います。
多くの質が高いコミュニティは有料コミュニティが多いですが、ネットや普通でリアルで収集するような情報とは違い、質の高い情報が得られます。
コミュニティとして、以前まとめた記事がありますのでこちらをご参考ください。
まぁ気になる方は当ブログのLINE@へ相談してください。
対策2.スクールで地盤固め
前述した通り“未経験者歓迎”というと、金銭負担が無いままITスキルを学べるという一見良さげな点もありますが、大多数が派遣やフリーランスと変わらない客先常駐とお伝えしました。
客先常駐が悪い訳ではありませんが、この時点で選択肢はギュッと狭まります。
で、未経験者からIT業界に転職する方法としておススメは、
一度自分への自己投資としてプログラミングスクールに通い
- SEが0から1をつくるとはどのような流れなのか?
- 具体的にどのようなプロセスで出来上がるのか?
- プログラマの仕事とは?SEの仕事とは?
を実体験から知見を広げることが必要です。
すぐ業界を辞める人で多いのが「合わなかった」「思ってたのと違う」という点です。
苦労して見つけた転職先ですぐに辞めた場合のデメリットを考えると安い自己投資です。
また、プログラミングスクールにはベンチャー企業とパイプがある場合が多いので
スキル重視の、0から1を作る企業へのチャンスが広がるという期待もできます。
スクール卒業レベルだったら採用できる & 現場で有効なスキルが身につけられるというメリット満載です。
“未経験者採用”で転職を募る企業だと選択幅が狭くなりますが、スクールを通すことで選択幅がぐんっと広がる、と考えるとどちらがいいと思いますか?
ちなみに当ブログでは、私自身も通学かつ相談者にも提案しているプログラミングスクール「DiveintoCode」を提案しています。
対策3.目的を明確に、内観する
冒頭でもお伝えしましたが、一番大事なのは”なる目的”です。
- なんとなくIT業界が高収入だから
- なんとなくITスキルがあると今後安心だから
“なんとなく”じゃ、現実とのギャップで続かないことが予想されます。
私自身、ITスキルを身につけることは推奨しますし、会社に長く勤めることを推奨しているわけでません。
ITには可能性がたくさんあるのも魅力の一つですし、スキルだけ身につけて更なる成長を目指すため最終的にフリーランスなるのを推奨します。
故に、目的をもっと深掘りしたいですね。
対策4.実際にサービスを作ってみる
転職する前に一つ独自のサービスを作るという経験をお勧めしています。
もしかすると、転職よりも起業という選択肢につながる方もいます。
大切なのは難しいと思うんじゃなく。まずはチャレンジしてみることです。
小さいものでいいから、自分でやってみましょう。
サービス公開してビジネス前提として自分で設計して開発してみることを勧めます。
その上で、ビジネスになり得なかったら
“何が足りないのか?”、”どのスキルを身につければいいのか?”
など、課題が明確に浮き彫りします。
転職が手段として最適なのか、もしくは転職せず課題を解消できる手段を学ぶことが最適なのかがわかります。
また、同じ志を持った仲間ができます。
同じ志をもった違う環境の人と付き合うことで、あらたな知見が広がるというのも行動することの醍醐味ですね。
総括として
未経験の皆さんに
失敗せずにSEになっていただくために
未経験からの挑戦で失敗してしまう理由と失敗しないための方法をお伝えしました。
失敗の理由は大きく言えば、
- IT業界を知らないこと
- 目的が”なんとなく”という曖昧
間違った情報や表面のイメージに振り回されないために
まずはスクールを使ってITスキルを身に着け、まずはIT業界で働くということを勉強してみてはいかがでしょうか。
「未経験からいきなり有料のスクールに通うなんて…」
「会社にも入らず学校に通うなんて親がなんて言うだろう…」 などなど
いろいろ不安はあると思いますが、ここで経験することによって、ゼロだったスキルが上がるのです。
会社に入り、訳が分からないうちに研修が終わって
配属された現場でイメージした働き方とのギャップに不安を感じてから考えるより
ずっと堅実で、ずっと近道だと思いませんか?
業界を調べ、働き方を知り、まずは作ってみる。
自分のスキルの土台を上げることに、まずは時間を使ってみてください。
限られた選択肢より、選択肢が拡がった方が絶対いいに決まってますから。
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ベイビーステップ として
ここまでお読み頂いた方の中には既にフリーランスSEの方や、フリーランスSEを目指している方もいらっしゃるでしょう。
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