SIerと呼ばれるIT業界の構造は、今崩壊へ向かっています。
SIer構造崩壊に伴い、
- 仕事は大手元請けから2次請け、3次請けへと依頼されるため、エンジニアが足りない現時点では食いっぱぐれは無い。
- 専門的なスキルを1つ身につければ、長期的に仕事が得られる。
- エンジニアは需要があるから、IT業界で働いてた経験があればどこでも仕事はある。
などなど、安心と思っていた常識が、通用しなくなる時代は近づいてきています。
日経xTECH:木村氏の「2020年代の早い時期にIT業界の人月商売は立ち行かなくなるという「SIer死滅論」」が話題に挙がりますが、私もこの内容は支持しています。
木村氏のコメントはどちらかという幹部職、管理職目線のため、業界で働くエンジニアにフォーカスした以下の内容について説明します。
- ピラミッド構造はどのように崩壊へ向かっているのか?
- これからフリーランスSEとして働くために必要な準備は何か?
以上についてお伝えしていきます。
Contents
今、まことしやかに言われている情報に注意!
「エンジニアはフリーランスになれば高収入になる!」という煽り文句を目にします。
私自身も当ブログで提唱しているフリーランスSEも、同様を提唱しているので間違いはありません。
しかし、だからと言って向こう10年は安泰か?と言われると疑問です。
ベテラン・高スキル保持者なら高単価案件に参画も可能かもしれませんが、エンジニアだからといえずっと稼ぎ続けられる保証はどこにもありません。
まして未経験であればさらに難しい。
最近では「未経験でも半年間スクールに通えば60万円!」という完全に煽りも見て、情弱者たちを狙ってるのもあり驚きです。検証した以下の記事をご覧ください。
この先10年間もエンジニアとして仕事を取り続けられる保証はない理由として
- オフショア
- AI
- 自動化(業務効率化、RPAなど)
先進技術やグローバル展開は目に見えてるわけです。
むしろプログラム必修化や、デジタル通信制学校(N高等学校)などの登場、
若者が会社に入るころには情報格差が出てしまうでしょう。
ドキュメントに拘ってる時点で格差は広がるばかり。
10年もあればSEに求められる技術はどんどん変わります。
さらに専門スキルだけでなく、専門性を活かした「IT×〇〇」など多様性な働き方が求められます。
私のtwitterでは随時、このような着眼点を取り入れています。
ピラミッド構造の崩壊はどう進む?
現在、国内のSIer事情では、3次請け程度ならまだしも、〜5次請けと明らかに深すぎる構図も存在します。(もっと深いのも存在します。)
今後、究極な予想でいうと中間搾取していた企業がゴッソリ抜け、「企業 対 エンジニア」になる可能性があります。
要はエージェントも不要。
実際、直接繋ぐためのマッチングサービスもできてきており、
着実に、ピラミッド構造崩壊に向けてのプラットフォームが出来上がっています。
(現時点では、依頼側の単価がめっぽう低く、かつエンジニア側に不利になるような契約が多く未整理が多い。そのためエージェントなどを介し交渉を提案する方が得策)
今後の考えうる展開としては、
- 国内に求めるエンジニアがいなくても、オフショア依頼
- AIやRPAを用いて業務効率化
- ブロックチェーンなどのフリーランス信頼性担保(直請けさせる際に使われそう)
このように考えると、仕組みを作れる高スキル保持者はいつの時代も必要とされるでしょう(AIやブロックチェーンなど、”これから”のスキルホルダー)。
残念ながら大半のSEが現時点の業務スキルで満足しているのではないでしょうか?
そう考えると、ピラミッド構造が崩壊するとスキルある人と無い人とで収入面で格差がうまれると予想できます。
収入源は1つだけ、という考えは古い?
「IT業界あるある」だったピラミッド構造。
無くならない理由としては、エンジニアをストック(雇用)する必要が無いから。人件費を最小限に抑えることができるんですね。
そのため案件が無くなっても契約を終了することで不要なコストは削減できます。
しかし、ピラミッド構造で得することだけではありません。
企業とエンジニア個人が簡単に繋がることができるとならば、当然リスクはあるわけで。
- 仕事が突然終了となるケースも考えうる状態
- 交渉次第で安く買い叩かれる
- 高スキルエンジニア一人に仕事が集まり、スキルが低い人には仕事が回らない
これらを踏まえて考えるとフリーランスSEとして1つだけの収入源だけでは非常に危険とわかります。
特に今後はAIなどの新技術により、高スキルなエンジニア1人でできる仕事の範囲が増えていきますので、影響力(高スキル保持者)ある個人が引き受け仕事を振る、個人間でも一定のピラミッド構造ができることになりそうです。
以下は私がセミナーでお話している資料の一部です。
これからのSEに必要な準備
ピラミッド構造が崩壊して、エンド直請けのサービスが普及していくことがあっても、格差が生まれる話をしました。
つまり、スキルが未熟な方は現状の仕事ではできなくなることも考えうることです。
そこで多いのが、とりあえずスキルを身につけると思い「プログラミングをとりあえず学べばどうにかなる」と思う人が多数ですが、はっきり言ってこれは愚策です。
何のために、何がしたくてプログラミングスキルを身につけたいのか、が本来重要です。
- 現場の拘束時間が慢性的に長く、給料が低いので転職を検討
- もっと単価を上げたいから色々勉強したい
- ○○のスキルを身につけたら高単価狙えると思ったから
などなど、身につけたいと思う理由は色々とあると思いますが、大事なのはその先。
挙げた理由だけでは環境を変えた時点で目標が達成されてしまいますよね。
その程度の目標であれば、ある程度進んだタイミングですぐにドロップアウトするのが目に見えています。
私が入ったプログラミングスクールDiveintoCodeでも、卒業を諦めた人が多数出ていました。
アドバイスとして、「ただスキルを身につければいい」という手段にフォーカスするのでなく、「そのスキルを用いて何を達成したいのか?」というゴール設定が重要です。
もっというと、フリーランスで働くこと自体も、この目的・目標達成のための過程、手段の一つです。
複業で稼ぐのはフリーランスの専売特許
エンジニアにとって、複業をはじめやすく、フリーランスになると会社とか気にしないでできるので専売特許とも言えます。
ブロガーやアフィリエイターは、現時点での究極なノマドワーカーでしょう。
ですが、ブロガーは参入障壁が低くライバルが多くなったいま過熱状態、エンジニアは参入障壁が下がったとはいえ、でも未だ高い。
顧客(ユーザー)目線の課題を浮き彫りし提案できるSEにとっては、サービス化までがそこまで難しくない。
だからこそ、エンジニアは強いと言っています。
とはいえ、何をやっていいかわからない、と悩む方は「IT×〇〇」という形で、今まで身につけたスキルでこの先何ができるのかを考えてみるのがオススメ。
何か解決したい課題や、自分の持つスキルを活かして人の役に立てるものはないか踏み込んで考えてみましょう。
人に聞いたり、違った環境のコミュニティに参加して話を聞くのもいいですね。
視野が広がればそれだけアイデアを思いつきやすく、チャンスは広がります。
また、都心部にのみ仕事が集中しているように思われがちですが、地方にもニーズは沢山あります。
語学力があれば海外への進出も考えられますね。
総括:ピラミッド構造崩壊に向けて
私の理念は「ピラミッド構造の崩壊」
自身が沖縄で生まれ育った経験があること、そして元請けの無茶な要望などを引き受けなきゃいけない、などこの構造に苦しめられてきました。
なので、私個人は受注という概念は大嫌いです。二度とすることは無いぐらい。
いま、AIやグローバル人材で雇用がなんたらとか言われていますが、是非これを機にチャンスと捉えてみたらと思います。
今までの構図が崩壊する、ということならばこれから必要とされる展開を予測して準備しておくことで先手を打てます。
業界外にでると、IT技術が何に求められているのかを知ることができます。
繰り返しなりますが、これからの時代に求められるのは、専門性より多様性。
「IT×〇〇」など、せっかくの経歴を活かして新たな強みを掛け合わせることが必要になります。
情報収集だけならSNSで充分ですし、最近ではオンラインサロンでの勉強会を行っているコミュニティもありますから、場所にこだわらず知見を広げるチャンスがたくさんありますね。
SNSを活用していない方はコチラの記事をご覧ください。
ピラミッド構造が崩壊する理由、それに向けてどんな準備が必要かについてお伝えしてきました。
ピラミッドが崩れるころには、次のキャリアの準備が整っていることを目指してほしいです。
もっと詳しく話を聞きたい!と興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、気軽にLINE@よりお問い合わせください。